今年の4月に装着したFMCSシステムであったが、この8月までの4ヶ月の間、幾度かのトラブルに遭遇していた。早期に装着したのは良いが、気温が上昇する状況が来るまではそれが正しく働くか確認のしようがないわけだ。そしていざ外気温の高い日に働いてくれない!
以前にも触れたが、最初はアディショナルファン自体の老朽化による問題から起因するトラブル。
ファン交換後も数回トラブルが発生、段々重傷になっていく。
7月中旬に発生した不具合の解決に17時間余り費やし、正直さすがにストレスも溜まる。震災の影響等で入手困難な半導体があり現在、仮の暫定リレーが備わる。後日入荷したときに本番のリレーに交換してくれるとのこと。熱で変型したリレーのソケット交換も急ぐ必要はないがいずれ・・・。
オリジナルに戻すか!あるいはもっとシンプルな方法による水温コントロールをやるべきか?考え込む。
万が一地方でトラブルが発生した場合、近隣の工場ではどうすることも出来ない独自のシステムなのだから、東京まで積載車で戻ってくるしか方法はない。一般化されていないシステムを導入し、トラブルに遭遇したらそれは、導入した側のリスクと心得るのだが・・・。
7/13の午後2時40分頃、外気温36℃。水温計は設定通り80℃で管理されている。当然アディショナルファン回転の頻度も多くなる。よって後日設定温度を83℃辺りに変更してもらっています。そしてATF交換予定の23万キロが目前です。
7月中旬の温度設定は80℃、A/Cオンで強烈に回るアディショナルファンもこれは水温とは関係なく冷媒の圧力を検知して作動するシステムだ。その内に理由は分からないがA/Cオンでもファンは作動しない。またトラブルか?だとしてもエアコンは良く効くし、水温が80℃になればアディショナルファンも起動するのでまぁ良いか!と、いうなかで8月上旬に温度設定を若干上げて83℃辺りを起動ポイントに再設定。
電機屋さんにしても、FMCSでこれほど手こずるW124は初めてらしい、他の個体と比べ私の車が異なる点は?「スパークパルス」を装着していること。
FMCSはパルス波長で信号を送りコントロールする仕組みであり、「スパークパルス」も高周波パルスを発生させて電気系にプラス作用を与えミスファイヤーを軽減しドライブフィールやステレオの音質向上などをもたらし、シャーシダイナモ上でもパワーアップすることも確認されている物なのだが、このパルス波長が何ヘルツかは分からないが、もしFMCSで使用する帯域に近かったりした場合は、なにがしの影響を与える可能性は否定出来ない。
メルセデスの電機屋さんはエンジニアであり「スパークパルス」から発生する波長を測定し、特定できるまではそのせいだとは決して言わないが、私は水温コントロールを優先しW124から「スパークパルス」を外すことを決めた。8月上旬の設定変更を含め、装着から7度目のコンタクトだった。(双方のストレスになったと思う。)
8月中旬を過ぎた今も猛暑が続くが90℃未満の中速域で水温コントロールがなされている。98℃で作動する高速回転域には今のところ達していない。
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No.120 夏の前に冷却のおさらいとFMCS
まず純正の値で考察するとW124 280Eのサーモスタットは87度が開弁温度、つまり90度前後で冷却水が管理されることを生産当時のドイツでは前提としていたということですね。
電動補助ファン(Auxiliary fan)も渋滞の少ない地方より都内は夏場酷使されるだろうが、93年からトラブルは一度もない。
電動補助ファンのヒューズボックス内での名称はDポジションのAuxiliary fanオグジュアリファンですか?(補助ファン)アディショナルファンともいわれていますが、役目の一つはエアコンの冷媒134aの圧力(16barでオン11barでオフの様です。)を検知しスイッチオンとなりコンデンサに風を送り込む役目を持ちます。
冷媒が洩れて圧力不足になればスイッチは入りません。これがファンの低速側の仕事でそのリレーはヒューズボックス奥の青いリレーだそうです。
手前の緑色のリレーは高速側を受け持ち、エマージェンシーで冷却水が107度になるとスイッチオンで一気に100度まで冷やします。2段階の風量を送り込みまさしく補助ファンとしての機能が役割なのです。ファンカップリングが正常であれば基本的にはこれでOKということです。なお、FMCSのシステムでは青、緑のリレーは統合され外観は緑ですが、中身は別物で温度ヒューズなども仕込まれているようです。
東京で生活するW124は、ドイツとはあまりにも環境が異なるでしょう。
真夏の都心部の渋滞で水温計は100度と110度を行ったり来たりで100度付近の指針が当たり前になっています。ドイツでのエマージェンシー設定が頻繁に発生することは、実は問題なわけですね。
国産車の80度を標準にすると20度も高いので、初期にディーラーの担当者に聞いたらメルセデスは水温高めなので100度位なら大丈夫です。何ていう答えが返って来ていた記憶があります。でも常時100度近辺で渋滞するとエアコンの効きが甘くなるので困りものです。
水温上昇もこの辺で止まってくれれば理想的。今年は100度のライン下が目標です。
ドイツ人のマジメが仇?
ハーネスの被覆は生真面目にリサイクル素材を使って生産される為、熱に対する耐久性は劣ります。その結果、国産車では考えられない熱によるハーネス類の劣化でショートが発生、最悪高価なコンピュータがダメになったりするわけです。冷却系が正常であっても、昔々に設計されたW124は対応が厳しいということになります。サイト上の名人達は例えば79度サーモに加工するなど色々な工夫をされているようです。
FMCSは中央の黒い箱3個にそれぞれのコントロールシステムが収まる。
100度を超えさせないようにするには。
基本は純正派の私もオリジナルをしっかりメンテナンスするだけでは無理なので、メルセデスの電気屋さん考案の3ステージ電動ファン(3個のレジスターが備わり中速域での回転が加わったモデル。)やFMCSと呼ばれる、アディショナルファンのコントロールシステムを視野に入れ導入してきました。
このFMCSの利点は、レジスターを使わず電気信号でファンの回転を制御することや任意の温度設定で低中速側と高速側をスイッチングし、ファンの回転速度も任意に設定可能となっていること。また新たに設定されている速度によってファンの回転をオフにする機能が付加されていることです。純正の107度高速回転と冷媒の圧力による低速回転の機能はそのまま、85度から100度までの間を無段階にコントロールし100度を超えさせない設定としました。85度というのは、今使用中のサーモが75度ということを踏まえたこの280E用の設定です。さあ、新設したFMCSはこの夏にどんな働きをしてくれるか?夏の準備は整いました。
取付にあたり電気系のチェックをしてもらったら、イグニッションコイルの不具合(やっぱりあのクラックが悪さをしていたのかな?)がテスターに表示されたので地元のお店に即オーダー、近日交換を・・・。
No.099 今、75度サーモで・・・。
この所いきなり涼しくなったが、それはそれで水温計のチェックは怠れない。この日の外気温計は16.5℃を示し、水温計は80℃それ以上ピクリとも動かない。開弁温度75℃のサーモスタットを使用しているのだから当然なことなのだが、80で止まる指針を見るのはW124との生活で初めての経験となった。純正は87℃が使われており一番低い指針が90℃辺りを示すのが正常なのだ。残る確認事項は1〜2℃の外気温でも水温は80℃に達するのか、オーバークールになってしまうのか、チェックは冬を待たねばならない。
初めて見る80の位置で止まる水温計の指針。油圧が気持ち低めだが予定オイル交換距離を少しオーバーしている。後日オイルも交換した。
外気がこの辺まで下がってくればW124にとっては、安楽な環境でエンジンは快調そのものでドライブにでも行きたい気分。エンジンオイルも交換時期が少し過ぎていたので去る日の夕方、工場に出向き交換「バーダル」今回は添加剤無しでオイルフィルターは共に交換、オドメーターは221,515kmでした。ATF交換予定は23万キロ、この調子だと1年後になりそう。
No.149 アルミと真鍮。
国産車の水温計は季節を問わず80度の辺りで指針は微動だぜずという状況にあるのに対し、W124の指針はよく動いてくれる。水温計が国産車より敏感に反応するという説が一つあるようだが・・・。
昔乗っていたブルーバード510 (1800SSS)のラジエターは、確か真鍮(黄銅)製でしたが、W124はアルミ製。これもサイト上で知りましたが、真鍮とアルミでは自己放熱が異なり、優位なのは真鍮なんですね。また熱伝導率で見るとアルミが優位だそうです。
つまり走行してラジエターに風を受けているときはアルミが良く、渋滞などで止まった場合は自己放熱に優れる真鍮が良いということらしい。
W124 280Eのラジエターはアルミ製です。だから水温計の指針は上下動が激しいのでしょう。
W124が誕生した80年代のドイツで、東京のしかも夏の渋滞はまさに想定外なのですよね。
全体的に判断すれば一長一短で引き分けなのでしょうが、アルミは軽いことや硬さが利点ですが日本の都市部で使うには真鍮が有利なわけだ。さて、今時の最先端の車、ラジエターはどんな素材を使っているのでしょうか?
開弁温度75度のサーモを仕込んだW124 280E冬の水温計は70付近から80度手前までの範囲で動いていますが、高速走行時は75度にも達せず、風を受ける受けないで本当に指針位置が違います。
コレはある日の24時半、外気温-1.5度にもかかわらず停車し、アイドリングをしていると水温はご覧の通り80度辺りに振れています。これで75度のサーモが仕込まれているのですからね。アルミ素材の自己放熱や熱伝導率が停車時と、走行時でそれぞれの特性が浮き彫りになるのでした。10度位は、簡単に変化するはずだ!と妙に納得しています。計器の各指針の位置は申し分のない数値で快調であることを表しています。(今はネ!)