と前回からの続き。さて過酷な昼の暑さの中あえて外をブラブラしたり、
海辺を眺めてみたり、時々芸能人をみたりとソニックしてるんだかしていないんだか
微妙な時間を過ごしていると段々と時間が迫る。暑さも少しずつ収まってきて、
「こりゃいいや」なんて思っていたが今までのブラブラがここにきて大ダメージ。
すっかり疲れてしまってアリーナで見るなんてそんなモミクチャ状態ムリ!
座った場所はステージから遥か遠く、スタジアム外野席一番上でありました。
しかしコレが良い事に風通しも良く、スタジアム全体が見渡せてなんだか
気持ち良い。あ、これが余裕というものか。「退けー!前線?ムリムリ!後退!」とも思うけども。
なにはともあれホッと一息、ビール片手にヴァーブを待つ。
そして時間きっちりに…ヴァーブ降臨。
スタジアム全体がどよめく中「This is music」のイントロが響き渡る。
そしてこれこそがミュージック!とフロントマンのリチャードが歌いだすと
チープな揶揄だがスタジアムは揺れた。もうホント待ったのだ。
リチャードの声を、バンドのノイズを、一度は解散によって
聴ける希望さえ失ってしまった当時のファンは今この状況を
正視出来ているのだろうか。
少なくとも筆者はしばし正視出来ず、目、ウルんだ。
ああ、やっぱり本物は違う。リチャードの声はドコまでもドコまでも
伸びてゆく。すっかりと暮れた夜空に心地よさだけが降り掛る。
CDで聴いていても絶対に体験出来ない快感があるんだ。
いかんいかん、ナミダを拭かなければなんて思いながら隣の友人を
チラリと見ると、友人も涙。そう、ホントに待ったのだ。
それからは怒濤のヒット曲を連発。どれもこれも大合唱。
もうヘトヘト。酔いもすっかり回って気持ちよくなり、
もうそろそろ終了時間が迫っているなと思ったところに
「Bitter Sweet Symphony」のストリングスが流れる。
スタジアム絶叫。筆者号泣。
このシングルが大ヒットを飛ばした当時、30半ばの人は皆新社会人。
まさに人生の辛苦を味わっているど真ん中。リチャードは歌う。
オレは変われる、周りに操られる事なくオレ自身の手で突き進んでやると。
もうどれだけこの歌を聴いた事か。当時からのファンは皆思うところがあるに違いない。
ああ、こりゃ一生の思い出が出来てしまった。この歳でもこんな事が起こるんだ。
幸せだ、これは幸せだ。
終了後、余韻に浸りながらメッセに行くとセックスピストルズのライブが。
だ!?、だれだあのオッサンは!?
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