豊田自動織機は、プラグインハイブリッドとEV用の新型充電スタンドを、日東工業株式会社と共同開発し2010年秋に発売する。コンパクトなのはもちろんだがスタイリッシュなデザインも注目されるところだ。携帯電話回線を通じて複数台の充電スタンドがデータセンターと通信することで、充電サービスの利用時間や電力使用量などの利用情報と、充電設備の稼動状況を、データセンターで一元管理することができるという。 |
EVはまさに何から何までが、これから!
個人的なことですが、私がEV(電気自動車)に注目したのは5年ほど前からになります。「これは流れだ!」と思い、関連報道やリポートをほぼ毎日自分のファイルに集約する作業と並行して、出版数社に「EVをテーマ」にいくつかプレゼン(企画の提案)もしました。が、たった3、4年前なのにすべて見事な門前払い! 第一にEVなんて言葉すら普通の編集者はご存じなかったのです。
その後、やはり「流れ」というものは止まらない証しとして、雑誌やTVが積極的にEVを取り上げるようになりました。ただし、雑誌は経済誌が中心ですし、時期もわずかこの1年ほどのことです。経済誌が積極的な理由はEVをビジネス目線で捉えていまして、多分に経済的価値、つまり政治家が言うところの「成長戦略」に通じる認識を持っているからに他なりません。このテーマの主導的立場であるべき自動車専門誌がこの流れに比較的消極的だったのはきわめて残念と言わざるを得ません。
この流れは衰えることを知らず、GM、日産や三菱、中国企業は言うに及ばず、さらにはトヨタやホンダも、この機をあらゆる側面から捉えていることは間違いありません。
大切なことはこのような大手自動車企業の動向だけでなく、EVに課せられた特色とも言える、「誰にでも与えられるチャンス」ではないかとヨめることです。
すでに、工場を持たずに技術やノウハウだけを売る企業や、既存車両のEVへの改造といった町のファクトリーも名乗りをあげていますし、いくつかの企業が連携して普及啓蒙活動を行う動きも活発化しています。
もはや、自動車でありながらその主導を自動車メーカーだけが行うのではない、という構図にも今までとは違う「流れ」が感じられるのです。
さて、それほどかように今最も「ニュースに溢れている」EVというものを、どう捉えるのが「真の流れ」なのかをずっと考えてきました。
ハードの問題、インフラの問題、安全性の問題、経費、コストの問題、もちろん環境の問題やユーザーの満足感などなど・・・・・。
で、案ずるより生むが易しこそネットサイトの最大特徴と考え、何はともあれ近々に当サイトより「EVみらい研究所」を発信いたすことと相成りました。
現在鋭意準備中ですので、ぜひともご期待ください。
ついに価格を4万1000ドル(補助金などを含まず)と公表したGMシボレー・ボルト。自社のキャディラックの一部車種よりも高い設定だが、今後の展開に注目。当初はEVとして位置づけられたが、構造としてはプラグインハイブリッドになる。ただし、走るための動力は電気(モーター)であり、エンジンはバッテリーへの充電のための補助装置。走行距離が500キロを超える理由はそこにある。 |
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パシフィコ横浜で7月14日から開催された「電気自動車開発技術展(EVEX)2010」は、EVの技術に特化した展示会としては国内初。写真は日本でもお馴染みのBMW MINI E。一見すると普通のMINIだが、まぎれもなくEV。このような人気モデルのEVが普及に貢献することは間違いない。 |
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9万8000円で購入した「ミニカ」の中古車を改造した手づくりEV「目黒1号」。作業を指揮したのは「てづくり自動車研究会」(新潟県長岡市)を主宰する本田昇氏。改造EVキットの考案者でもある。「目黒1号」のオーナーは経営コンサルタントの古谷文太氏で、インターネットの募集で集まった同志約30名が交代で作業を行い、なんと6日で完成させたという。彼らの夢の試算ではEV改造ビジネスは1兆円規模! という。自動車に明るい(はずの)経産大臣、聞いてます? |
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No.019 ハイブリッド対電気って、・・・・・違うでしょ!?
長期に渡る電力会社との協力で得た実走段階を経て、ついに発売開始となった三菱i-Miev。 当初は法人、官公庁、自治体向けだが、ほどなく一般への販売も予定。いわゆる巨大三菱グループの一員である「リチウムエナジージャパン」や「ローソン」などとの系列連携力も見ものであるが、日本政府の対応にも注目したい。
三菱i-Mievの発売で、大方のメディアのタイトルは「EV、ついに量産」と報道され、やっとEV元年がおとずれたような感じを受ける。確かに何事もきっかけが大事だから、これを機に各社が「環境&節約合戦」に突入することは悪いことではない。事実、富士重工のプラグインステラ、日産のバッテリー交換型EVの発売表明をするなど、にぎやかなのは大いにけっこう。プロダクトの進化とはそんなものだからだ。
ちょっと気になるのは、メディアがどうしても比較したくなる「ハイブリッド対EV」というニュアンスの報道ぶり。どちらの機構も大容量バッテリーを使用しているから、そうしたくなるのは理解できないではない。
端的に言ってしまえば、ハイブリッドは依然として内燃機関(エンジン)を使用しているし、EVは動力源そのものがバッテリー+モーターで内燃機関に依存していない。つまり両車は似て非なるものだと考えるのが順当というところから考えてほしい。
次に価格。ハイブリッドの代表はトヨタ・プリウスとホンダ・インサイトだ。こちらは約200万円前後。方やi-Mievは約460万円。国の補助と神奈川県などEV積極普及自治体だとさらに補助が足されて約300+α万円。前者に補助金はないが、例の時限付きのエコカー減税(もちろん、EVにも適用)がある。一概に両車を比べるのは乱暴だが、価格だけの比較では勝負にならないほど現時点ではハイブリッドの方に分がある。現在ハイブリッドは劇的に売れている。草食化したユーザーの気持ちは実にストレートで正直だ。
さらに申せば、ハイブリッドは既存のインフラで事が足りるが、EVには充電スタンドなど、従来にはないインフラ整備が不可欠となる。そこに需要や雇用創出が期待できるから、重要な意味を持つという考え方もある。
しつこいようだが、ハイブリッドは内燃機関に依存している以上、従来までのメカニズムに新機構を付加した「化石燃料節約型」だ。だから現実的だ、という論調もあるが、別の見方である「過渡的メカニズム」と言えないでもない。
経営再建で、事実上一時国営になったGMのシボレー・ボルトのことを、当初はEVと言っていたが、バッテリー充電用のエンジン(1.4リットルターボ)を搭載しているから、今はプラグイン・ハイブリッドと呼ぶようになっている。
No.026 バイオがくる! と信じたい
NEDO実用化開発実験により設置されたラント例(月島機械hpより)
最初から言い訳がましくて恐縮だが、今回の提言はあくまで筆者の「そうなったらいいなぁ・・・」という希望的観測に終始することをお許し願いたい。
もとより、当方機械工学は言うに及ばず、バイオ(ここで言うのはバイオマスエタノールのエネルギー。以下バイオと略す)の基本である化学なんぞ、まったくの門外漢であることもお断りしておく。したがって、ここではバイオが日本国内でどのように進捗しているかの検証を主としたい。
バイオエネルギーは基本的にはサトウキビ、とうもろこし、廃木材などのバイオマス資源を発酵し、蒸留して作られる植物性のエチルアルコールのことで、新たな燃料用エネルギーとして注目される。「バイオエタノール製造施設(プラント。小規模でも製造出来ることも実証されている)」で作られたエタノールは、自動車やボイラー等の燃料としての利用とその範囲が期待される。
さらに、Vol.23でも述べているように、バイオに含まれる炭素は植物の光合成によって固定された大気中の二酸化炭素に由来することから、エタノールの燃焼によって二酸化炭素が大気中に放出されても地表に存在する炭素の総量は変化しないと考えられている。つまり、温暖化対策にも寄与できる可能性は大いに高い。
No.006 世界に広がるEVムーブメント
今回は細かい理屈抜き。世界中の潮流になっているEVを、できるだけ紹介してしまおうというもの。*開発中やプロトタイプなど含めると、その数は膨大になる。
通常、自動車は自動車会社が作ることが当たり前となっているが、少なくてもアメリカを見ると、その主体はデトロイトではなく、カリフォルニアのシリコンバレー(もちろん、ベンチャー事業)発祥が少なくない。もしかするとEVは、今までの自動車とはまったく異なる普及や浸透の仕方をするのかもしれないことを暗示しているようだ。
今後は、中国やインドの動向、日産とイスラエルの行方など、国境を越えて世界中で着々とEVへのアプローチ・マグマが胎動してくると見るのが自然と言えるだろう。
当然のことだが、化石燃料の国内自給率がわずか0.1%にすぎない日本にあって、自前でエネルギーを作り出すことが可能な「電気」への期待は、さらに高まっていくだろう。
その大きな引き金になっているのが、世界レベルでの低炭素社会へのアプローチにあることは言うまでもない。
主な内容
会社名(国名)
i-MiEV(アイミーブ)
今年の夏にデビュー予定。三菱アイをベースの4人乗り。最高速度130km/h、1充電160kmと、実用性が高い。